理事長挨拶

HaraRijityou160x160 この度、平成29・30年度の日本聴覚医学会理事長に前々期、前期に引き続き就任致しました。ここにご挨拶申し上げます。

 これまで日本聴覚医学会理事長として果たしてきた成果としては、平成26年12月1日をもって一般社団法人日本聴覚医学会となったことがあろうかと存じます。一般社団法人として、本学会の果たすべき役割もより公的なそしてより広く深く聴覚医学に関する事業を担わされたこととなります。やはり社会の中で認知され、また行政からも承認された組織となったわけですから、我々日本聴覚医学会執行部も一層気を引き締めて本会を運営していきたいと存じます。

 本学会は平成28年10月に第61回日本聴覚医学会総会・学術講演会を岩手医科大学佐藤宏昭会長のもと開催されましたように、今年62周年を超える歴史ある学術団体です。本医学会の目的と役割は、聴覚に関する構造(解剖・組織)と機能(生理)、難聴の病理と病態生理、難聴の予防と聴覚保護、難聴疾患の診断と治療および障害の解明、聴覚障害に対するリハビリテーション手段の開発と効果の評価、聴覚障害による社会的不利の解明と福祉への貢献と極めて多くの分野・領域にわたっていることは、今後も変わりません。しかし、時代の推移とともに、日本聴覚医学会および学術講演会等のあり方も、現代にマッチした、会員にとって魅力ある姿に代わっていくべきものと思料します。以前も申し述べました様に、本医学会の学会としての大きな特徴は、耳鼻咽喉科医ばかりではなく言語聴覚士、聴覚障害者教育の教育者など、聴覚障害や聴覚に関する諸問題に対して現実的に指針を定め活動していく大本の組織であるという点にあろうかと存じます。

 基礎研究や学問としての聴覚医学の推進がその礎となることは言を待ちませんが、こうした研究から生まれた聴覚医学に関する様々な手段、方法を現実の社会で活用することが本学会には求められています。そのためには、本医学会会員の皆様に学術講演会や機関誌であるAudiology Japanへの活発な参加と投稿をぜひともお願い致します。聴覚医学という大きな輪の元に、基礎医学者、臨床医、言語聴覚士、臨床検査技師、教育者など、それぞれの垣根を越えたところで聴覚医学と日本聴覚医学会の未来をめざしていけたらと衷心より願っております。そのためにも、学術講演会のあり方やAudiology Japanの新しい企画等を今後も模索していきたいと考えております。その一環として、予稿集の在り方や、学会の中での企画について、企画委員会、理事会を中心に刷新と発展を現実のものとすべく着手し始めたところです。

 さらに、本年の中川尚志(九大)総会・学術講演会から、聴覚生理研究会を開催することとなりました。本研究会はオージオロギー研究会から基礎耳科学会そして耳科学会へと引き継がれてきた伝統ある研究会ですが、日本聴覚医学会が耳科学基礎研究のメッカとなるべく、企画したものです。会員の皆様のご参集をお待ち致します。

 また、先般の身体障害者認定の新たな通達にありましたように、医師講習会等も社会の付託に応えるべくより充実したものにしなければなりません。また、補聴器の普及と正しい装用は、今後行政にとっても大きな柱の一つになるものと考えられます。殊に、補聴器の適正な処方と販売については本医学会がその推進の中心とならなければならないでしょう。堀口申作先生から9代にわたり連綿と続いてきた歴代の理事長の志を受けて、聴覚医学の進歩と日本聴覚医学会の発展のためにこれらの目的を果たすべく長い歴史と積み重ねた実績のある本医学会をさらに発展すべく、本医学会理事、顧問、監事の先生方と協力し努力し尽力していきたいと愚考しております。何卒、会員の皆様のご支援を賜りますようお願い申し上げます。

 

一般社団法人 日本聴覚医学会理事長
原  晃

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