補聴器に関する一般向けQ&A
- 補聴器とは(補聴器の基本的機能)
- 補聴器の形にはどんなものがありますか
- 補聴器の形によって、特徴がありますか。どんな形がよいのですか。
- 補聴器はなぜ医療機器なのですか
- 補聴器と集音器はどう違うのですか。
- 補聴器によって値段が違うのはなぜでしょうか?
- 補聴器はどうして高いのですか。(補聴器の機能)
- 通販の補聴器はどうして安いのですか。
- 1.補聴器とは(補聴器の基本的機能)
- 補聴器の基本的機能は、音を大きくすることです。
補聴器内の小型マイクロホンに入った音を大きくして小型イヤホンから出力します。
- 2.補聴器の形にはどんなものがありますか
- 耳に掛ける耳かけ型、外耳道内に入れる耳あな型、本体とイヤホンの間がコードでつながれているポケット型などがあります。
- 3.補聴器の形によって、特徴がありますか。どんな形がよいのですか。
- 耳かけ形と耳あな型の間では、補聴器の機能にほとんど差はありません。
目立たないのは耳あな型または小型の耳かけ形の補聴器です。耳あな型のとくに小さい機種はボリューム調節ができないなど扱いにくく紛失しやすい欠点があります。また、耳かけ形に比べて耳あな型は補聴器作成のために加工が必要な分だけ高価格になります。
ポケット型は価格が安いことと、話し手に本体を近づけることにより聞き取りやすくなるという利点がありますが、本体をポケットに入れておくと、衣擦れの音が雑音となったり、コードが邪魔になるという欠点があります。
耳かけ型は最近のものは外から見えにくく、操作性が良いことや、耳の穴を塞がないオープン型では装着感も優れるので選ばれる方が増えています。
- 4.補聴器はなぜ医療機器なのですか
- 難聴には多くの原因がありますが、代表的な加齢による難聴(老人性難聴)では内耳の感覚細胞が壊れて神経も減少するなど、難聴は体の病気です。
補聴器は病気である難聴によるコミュニケーション障害を補うためのリハビリテーション用の機器で、体に着けるものですから、当然のこととして医療機器です。
補聴器に関連する医療上の問題には、音響外傷による難聴の進行、補聴器による耳周囲の外傷や炎症、補聴器作成のための耳型取りの時の異物など、防がなければならない危険があります。
また、一人一人の聴力に合わせて調整することでその人が最も会話を理解しやすいように調整することが必要です。これは難聴の治療の一環になりますので、効果を発揮し医療事故を未然に防ぐため、補聴器は医療用機器として製造や販売に厳しい規制が設けられています。
- 5.補聴器と集音器はどう違うのですか。
- 集音器は会話を聞くための機器ではありません(難聴の人が会話を聞くために使う携帯用の機器は補聴器とすることが薬事法で決められています。同じ目的のために使う機器に別の名前を付けることは違法または脱法行為です)。
補聴器には医療機器として、難聴者の安全を守り効果があがるための様々な規制があります。
集音器は医療機器としての管理や規制を受けていませんから、会話を聞くために集音器を使うことには様々な問題があり、以前に国民生活センターで集音器の音響検査と難聴者が使用することについて調査した結果でも証明されました。日本聴覚医学会は集音器を難聴者が会話を聞くために使うことに反対です。
- 6.補聴器によって値段が違うのはなぜでしょうか?
- 形が小さいほど精密に作ることが必要ですから、制作費が高くなります。
とくに小さい耳あな型は、本人の耳の形に合わせるために正確な加工が必要で高価格になります。また、補聴器にはいろいろな機能があり、多くの機能が付いているものが高くなっています。
- 7.補聴器はどうして高いのですか。(補聴器の機能)
- 補聴器は単に音を大きくする(増幅)だけではありません。周波数によって増幅度を変えることができます。入力音の大きさによっても、増幅度を変えることができます。入力音が雑音か音声かを瞬時に判断して、雑音の増幅を抑えることもできます。
FM電波や赤外線を通して補聴器で増幅することができます。このような機能はすべての補聴器に備わっているものではありませんし、すべての難聴者に必要な機能でもありません。一般的に、たくさんの機能が備わっている補聴器は高価格になります。
- 8.通販の補聴器はどうして安いのですか。
- 通信販売の補聴器が低価格である理由として、機能が単純な通信販売用の補聴器が売られています。そして、補聴器は使う人の聴力に合わせて機器を選び調整するものですが、何の調整もせず、アフターケアもありません。
さらに、難聴者の状態を質問して確かめたり、適合するための店舗がありません。また、薬事法で定めた安全管理者に補聴器の問題を難聴者が連絡する方法もありません。悪く言うと、売りっぱなしにしていますから低価格なのです。通信販売で購入してもどうしても役立たなかったり、役立つものを使いこなせないことが多くなります。